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★ベトナムで生き抜く術★

VIFA ベトナム国際家具展示会からみるベトナム製家具の変遷

こんにちは、魁人です。

いま、日本で売られている多くの家具がベトナムで生産されているのはご存知でしょうか。ニトリやイケアの食卓セットやタンスなどの箱物は、中国製と同じくらいベトナム製が出回っております。

「ベトナム製」と聞くと、「アジアン家具」を想像するかもしれませんが、実際にはモダン家具やカジュアル、アンティーク調の家具まで多種多様な家具がベトナムで生産されております。

わかりやすい話としては、ニトリの自社工場がハノイにあります。ニトリで売られているタンスやソファの多くはここの工場で生産されています。さらに2017年、ベトナムでニトリの第二工場がオープンする予定で、その場所がベトナム南部ブンタオになります。

どうして、いまベトナムで家具が生産されているのでしょうか。

 

ベトナムで家具を生産する理由

 

ベトナムは住宅こそ鉄筋コンクリートとレンガ積みで作られますが、家具は木製家具を好んで使われています。かつては木材が豊富で、紫檀や白檀を使った家具がたくさん生産されていましたが、いまベトナムで採れる木材は、ゴムの木かアカシアの木がほとんどです。

とくにゴムの木が家具によく使われています。フランス植民地時代にフランスがゴムの原料を取るために、大量にゴムの木を植林したためです。

ニトリなどで売られている10万円以下の食卓セットは、ゴムの木で作られているものばかりです。ゴムの木は、加工性がよく強度もそれなりにあるので、家具として生産しやすいのですが、木らしい木目がありません。

 

ベトナムで家具を生産する3つの理由
  • 家具に使う木材が豊富に取れる
  • それなりに安い賃金
  • フランスや中国が持ち込んだ木の家具を作る技術がある

しかし、ベトナムの賃金については、毎年10~15%ずつ上昇しており、あと10年もすれば、決して「安い賃金」とは言えなくなるでしょう。

 

ベトナム国際家具展示会

毎年3月にベトナム国際家具展示会VIFA「VIETNAM INTERNATIONAL FURNITURE& HOME ACCESSORIES FAIR」なるものが、ホーチミン市7区のSECCという展示会場にて行われています。

ちょうどこの時期来客が増えてなかなか展示会場に足を運べず、ここ4~5年の間、展示会を見に行けておりませんでした。しかし、今年はたまたま休みと展示会が重なったので、行くことができました。

今回の展示会場の様子と今後のベトナムの家具業界についてお伝えしたいと思います。

 

上に書いたように、ベトナムの最低賃金は毎年上昇しております。今年2017年の賃金は、僕がベトナムに住みはじめた2010年から比べて、2倍近くの賃金になっています。

実際に、かつての日本の高度経済成長期は同じような状態で、僕達の親の世代だと、「数年後に給料が2倍になった」というのは珍しくないようです。その代わり物価も上昇しているので、賃金が上がったからといって、生活が楽になるわけではありません。

 

さて、展示会の様子についてです。

僕が、その前に展示会場へいったのは2012年だったと思いますが、その頃から比較すると今年2017年の展示会は全く別物になっておりました。

 

どうして、こんなに変わったのか。

 

それは、「ベトナムはもう安さを売りに出来ないから」です。

 

賃金が上がれば、材料代も上がります。

そうなれば、それを価格に反映するしかありません。

安さを売りに大量生産してきた工場も危機感を覚えたらしく、とにかく「ブランド化」しようという必死さが会場から伝わってきました。

 

5年前とは違う点

・出店数が倍以上になって、外会場までできていた。

・ベトナム以外からの材料サプライヤーが増えた。

・展示ブースに必ずヨーロッパ人のデザイナーがいる。

・中東からもバイヤーが来ていた

 

特に注目したいのが、北欧系デザイナーとのコラボ。

デザイナーを入れることで、いままで野暮ったかったベトナム家具が、かなりスタイリッシュになってきました。木製家具だけでなく、スチールなどの異素材と組み合わせた家具が増えていた印象です。

そして、「NO PHOTO」のサイン

5年前は、どのブースも似たような家具が並んでいて、メーカーの違いはあまりわからなかったのですが、今年はどのブースもデザイナーが入っていて、それぞれ「ブランド化」「差別化」が進んでいました。

どのブースも「NO PHOTO」のサインがありました。

この記事でも画像をアップしたかったのですが、写真撮影は諦めました。

 

そして、5年前よりベトナム家具のレベルが全体的に上がっています。

安さだけを売りにできなくなり、このように危機感を感じている工場は今後も伸びてゆくでしょう。

しかし、元国営工場や大手企業傘下の工場は、旧態依然の体質を変えられず、仕事が減っていく、という2極化になりそうです。

実際には、ベトナムにはこの展示会場に出店していない家具工場が山のようにあります。

 

そして、ベトナム国内に目を向けると、家具のライフスタイルも2極化しています。

 

中華様式と欧米のライフスタイル

ホーチミンやハノイなどの、都心では新築マンションが続々と建ち上がっています。まさにマンションの建設ラッシュです。そのマンションに住むベトナム人は、モダンな欧米式の家具を取り入れたライフスタイルを好みます。

 

逆に、地方で新築戸建てを建てる人々は、中華様式の木製家具を好んで使います。

地方では、総革のソファよりも、木製でゴツゴツした大柄の椅子のほうがステータスになるのです。

ベトナムでは、まだまだ中華様式の家具の人気が根強いのが事実です。

ベトナム人の好む赤い木製家具

 

そういう状況で、展示会場にならんでいた北欧デザイナー家具は、ベトナムで売れるかというと、欧米のライフスタイルを好む層にしか売れないわけです。

こう考えると、この展示会はベトナムでの流行りを追っているものではなくて、それ以外の海外の流行りをそれなりに追っているものであることがわかります。

 

ベトナム製家具の課題

 

今回のベトナム展示会場は5年前から比べて、かなりの変わりようでした。

ヨーロッパのデザイナーが多く入ってきたことで、垢抜けて来た感じはあります。

しかし、デザイナー自身が感じているはずですが、ベトナムの家具はディテールが弱いです。ゴッツイデザインは良いのですが、軽やかさを出したいデザインでも、材が太く使われていたりするので、繊細さを感じることができません。

それを表現するのは、工場の技術です。

 

そして、世界にベトナム家具を普及していくにあたっては、人々のが安心して使用できる安全性を確保するための、品質管理体制の構築が必要となります。

それは、デザイナーをいれて解決できることではないので、工場の経営者が違うアプローチで工場を変えていく努力をしなければなりません。

 

デザイナーをいれておしゃれな家具を作っても、すぐに壊れたり使えなくなったりするなら、継続してオーダーをできません。

それは、展示会場を見ただけではわからない裏の部分です。

そこをしっかりできる工場が、今後生き残っていくのは間違いないです。

 

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