都市化が進むベトナムで問われる防災リテラシー

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3月23日、ベトナムのホーチミン市内にあるマンションで火災が発生。
13人が死亡、28名が負傷、地下駐車場に停まっていたバイク約150台と自動車13台が丸焼けになりました。

ホーチミン:高層マンションで大火災、41人死傷

ベトナムでは大きな話題になっています。

火の原因は?

今回の火災で、死者が13人も出たのが悲惨なことですが、数字的にビックリしたのは

「バイク150台炎上ってどういう状況なんだよ?」
ていうところでした。

マンション火災の原因といえば、キッチンでの火の消し忘れによることを想像しますね?
どうして、室内で火災が発生したのが、バイク150台に飛び火したんだ?
という疑問が浮かびました。

実際は、こういうことです。

地下駐車場に停まっていたバイクから出火し、黒煙とともに火の手が上層階へ広がったという。

~中略~

火災発生の通報を受けて、消防士や警察など約200人から成る救助隊が出動し、消防車とはしご車34台が鎮火に当たった。未明に火は消し止められ、現場は落ち着きを取り戻した。

住民によると、火災発生時にサイレンが鳴らなかったという。これは、就寝中だった多くの住民が逃げ遅れて犠牲になった原因の1つと見られている。また、自動消火装置と避難誘導システムも稼動しなかった。

警察のこれまでの調査結果によると、各階段に設置されていた防煙扉はいずれも煉瓦で抑えて開いたままの状態になっていたため、火災発生時に避難ルートとなるはずの階段は黒煙が充満し使用することができなかった。

火災の原因が燃料タンクの爆発によるものか現在のところ不明だが、爆弾を仕掛けられた可能性もあると見られており、警察は引き続き原因究明を行っている。

引用元https://www.viet-jo.com/news/social/180323175219.html

出火元は、地下駐車場に停められていたバイク。
爆弾を仕掛けられた可能性もあるそうです。

われる防災リテラシー

上記にあるように、自動火災報知設備は機能せず、非常階段も防火戸が開けっ放しになっていたため、黒煙が立ち込めて避難経路として使えませんでした。
ベトナムのホーチミンでは、日本のような大きい地震がないため、比較的自然災害が少ない地域です。
また、日本にあるような建築基準法といった法整備があいまいなままな状況で、消防庁による定期的な検査もあまり厳しく行われておりません。

もちろん、今回の事故をきっかけに法整備は進むことでしょう。
またベトナムでは、住民はもちろん管理会社の防災リテラシーが低いです。
ホーチミンでは、マンションの建設ラッシュが続いていますが、耐震性や安全性がどこまで担保されているのか、不安な部分もあります。

たとえば、傾きのせいで窓ガラスが自然に割れるという事故が発生しているマンションもあります。


僕も将来的にはベトナムでマンションを購入したいとも考えています。
が、ベトナムでマンションを購入するにあたって、建設会社や管理会社などよく調べてからにした方が良さそうです。

その後の防災管理

先日、僕の住むマンションで防災訓練が実施されていました。
また、会社やマンションでは、消化器がどんどん設置されています。
エレベーターの前には必ずありますし、消化器のサイズもアップしました。

「ベトナムはやると決めたら徹底してやる国」
なのかもしれません。

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