ビンズン省において 新型コロナによる致死率が圧倒的に低い理由

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先日、とうとうベトナムにおける新型コロナの死亡者数が、日本を超えてしまいました。
1年以上新型コロナに対して強行とも思える対応をとってきて、感染者や死亡者を抑えてきたベトナムですが、今回の感染爆発で多くの死亡者を出してしまいました。

実は、新型コロナによる死亡はほとんどはホーチミン市内でおきています。第二の感染拡大地域であるビンズン省と比較すると9倍くらい死亡者数が違います。

2021年9月26日時点の死者数
感染者数計死亡者数計致死率
ホーチミン市367,05914,2483.88%
ビンズン省196,76318180.92%
ドンナイ省44,9559962.21%
ロンアン省31,6633991.26%
ティンザン省13,3993302.46%
9月26日時点の死者数。ベトナム全国で18400人中14,000人以上がホーチミン市

こうして比較してみるとわかりますが、ビンズン省はホーチミン市に次いで2番目に感染者数が多いものの、致死率は低く、死亡者数には大きな差があります。
ビンズン省の致死率は、ドンナイ省やロンアン省より低く、またホーチミン市は圧倒的に致死率が高いことがわかりますね。

なぜ、隣同士の都市なのにここまで差が出たのでしょうか。

一つは人口密度の問題です。
ホーチミン市は人口が多く、人口密度が高いため、クラスターが発生しやすい環境にあります。

しかし、人口密度だけで判断するなら、ドンナイ省やティンザン省も2%以下に抑えられても良いはずです。
ビンズン省が致死率1%切ったのは、評価できる自治体の素早い対応があったためと思われます。

筆者は7月からホーチミン市とビンズン省の新規感染者数の統計をとってきました・
7月からおよそ3ヶ月間の2都市の新規感染者数を比較してみました。

この表からわかりやすく読み取れるのは、ホーチミン市は新規感染者数の上昇が急勾配であるのに対し、ビンズン省は緩やかに感染者数が増えています。
特にホーチミン市で新規感染者が爆発している7月、ビンズン省の新規感染者数は1000人以下が続いていました。そのため、感染爆発前に隔離施設と野戦病院を準備することができました。

7月30日にはフック国家主席が野戦病院の視察されましたが、その直後からビンズン省の新規感染者数が急激に増え、8月末にはいっときですが新規感染者数がホーチミン市を上回りました。

しかし、その頃には軽症~中等症患者を受け入れる野戦病院が完成していました。野戦病院で、酸素吸入器を軽症の段階で受けることで重症化を防ぐことができたのだと思われます。

一方7月のホーチミン市は新規感染者が爆発、野戦病院どころか隔離施設では廊下まで人が溢れて、治療を受けられず亡くなった方が多かったようです。

一時期はやりすぎのようにも思いましたが、新規感染者数が1000人以下の時期に野戦病院を準備するという、決断を下したビンズン省の行政は評価して良いかと思います。

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